心に傷つきを抱えている人と関わるとき、
トラウマについて十分な情報を知らないと、
相手をさらに傷つけてしまうことがあります。
少しでも、力になりたいと思っている人たちが、
適切に話したり、支援したり、共に居られるようになるために、
トラウマについて知識を持ち、それに基づいた関わりに変えていこう。
このような考え方を
「トラウマ・インフォームド・ケア(トラウマに配慮のあるケア)」と呼びます。
Center for HEARTでは、
特に性暴力や性虐待をはじめとする「性的なトラウマ」について、
その当事者も支援者も、周りにいる人も含めた全ての人に、
このトラウマインフォームドケアの考え方が役立つのではと考えました。
そこで、「セクシュアル・トラウマ・インフォームド・ケア(性的なトラウマに配慮のあるケア)」と名付け、推進する活動をしています。
そうは思いたくないものですが、
誰でも性的な被害の「当事者」になる可能性があります。
男でも女でも、その他のどんな性別やジェンダーでも、
異性が好きだろうが同性が好きだろうがどんな性指向でも、
お金のある無しや、学歴のある無しの区別もなく、
誰でも、性的に傷つく体験に遭う可能性があるのです。
自分が当事者ではなかったり、
周りにまだ当事者がいないと思っている人は、
今は他人事のように思えるかもしれません。
でも、自分が、または自分の身近な人が当事者になる可能性があると思って、少しでも「自分ごと」にしていって貰えたら嬉しいです。
残念ながら、心の傷つき(トラウマ)は目に見えません。
だから厄介なのです。
外から見ても傷ついているのがわからない。
どのくらい傷ついているのかも見えない。
何よりも、当事者自身が、自分の傷が見えないために困惑します。
「いつまでも気持ちが安定しないのは自分が弱いからでは?」
「あの時、きちんと断っていたら。。。」
「人が怖くてたまらない。。。」
など、誤って自分を責めてしまったり、不甲斐なく思ったり、
人と違う自分にがっかりして自信をなくしてしまうことも良く起こります。
その理由は「性的に傷ついたことによるトラウマ」だったと知り、そのからくりを理解すると、自分を不必要に責めたり、がっかりする必要がないことがわかります。
むしろ、自分が心も身体も全て総動員で、
どれだけ自分を守るためよく頑張っていたのかが理解できるようになり、自分の心や身体への信頼を取り戻せたり、自分を許せるようになっていけるのです。
「専門家でもないとできることはないのでは?」
と、思ってしまう人も多いかもしれません。
それでも、
「どんな人でも、もしかしたら性的なトラウマを持っているかもしれない。」
という前提にたって少しの思いやりを持ってみることなら誰にでもできると思いませんか?
そして、一人ひとりが、少しでもいいので、
性的な傷つきを心に抱えている人がどんな思いをしているのか、
そしてどんなふうに関わってもらえると助けになるのかを知っていると、
誰にとっても安心できる社会になっていけると私たちCenter for HEARTは信じています。
誰もが、いつ、どこででも、性的なトラウマへの配慮を持った扱いを周りの人にしてもらえたり、支援な専門的なケアを受けられる社会を目指していきたいです。
ぜひSTIC(セクシュアル・トラウマインフォームドケア)について私たちと一緒に学びを深めたり、どうしていくとさらに良くなっていける一緒に考えていきませんか?
情報発信や研修や講演会など随時行っています。
新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大を受けて、性的傷つきを抱えているサバイバー向けの情報など、随時掲載しています
研修や勉強会の企画や、講師派遣も行っています。過去の活動についてはブログを御覧ください。