新型コロナ時代を生きる 性暴力サバイバーのための                   サポート情報特集

新型コロナウィルス(COVID-19)サポート情報

性的傷つきを抱えたサバイバーや支援者のための

コロナ時代に自分を大事にするセルフケア情報

May 16, 2020 

新型コロナウィルス(COVID-19)のパンデミックが長引く中、私たちのささやかな日常も大きく変化を迫られています。

 

突然の安全感の変化、先の見えない日々、そういった状況は実は性的傷つきを抱えているサバイバーにも時には深刻な影響を及ぼす可能性があります。

 

そんな状況の中、よく頑張っているサバイバーのため、そしてサバイバーのそばにいる友人や仲間、家族、そして支援者のために少しでも役立つ情報を集めて紹介してます。

 

<コンテンツ>

性暴力サバイバーのための新型コロナウィルスを乗り切るヒント集

気持ちを整え落ち着きを取り戻すエクササイズ「SCOPE」

For foreing Resident: one free 30-min session in English is available

Center for HEARTの活動について

 


ダウンロードについて


me too. Internationalが作成した「性暴力サバイバーのための新型コロナウィルスを乗り切るヒント集」の日本語訳です。 

 

me too. Internationalからも自由に配布して構わないと許可されているので、どなたにでもシェアしていただけますもしよかったら自由にダウンロードして、あなた自身、身近にいる大事な人のため、または支援で関わっている相談者のためにお役立ていただければ幸いです。

●◯●ダウンロードはこちらから●◯●

ダウンロード
性暴力サバイバーのための新型コロナウイルスを乗り切るヒント集.pdf
PDFファイル 1.4 MB

*原文「A tool kit for Survivors during COVID-19」こちらからダウンロードしていただけます。

*The National Women’s Law Center, Justice for Migrant Women, National Domestic Workers Allianceといった団体もこのヒント集の作成に貢献しています。

*Center for HEARTがこの資料を翻訳していますが、me too. Internationalが私たちと公式に連携している、または認定されているということではありません。その旨誤解のないようご理解いただければ幸いです。


このヒント集が生まれた経緯


アメリカで始まった#MeTooムーブメントの創始者でもあるタラナ・バーク(Tarana Burk)さんをご存知の方も多いと思います。

 

彼女が創設した「me too. International」が、新型コロナのパンデミックで深刻な影響を受けているサバイバーのために、「性暴力サバイバーのための新型コロナウィルスを乗り切るヒント集」(原題『A tool kit for survivors during COVID-19』) を作成して、2020年4月にWebサイトで公開しました。

 

内容が良かったので、日本語に訳させてもらえないか問い合わせたところ、日本のサバイバーにも役立ててほしいと快く翻訳を許可してくださいました。 


このヒント集の読み方


日本語訳は全部で18ページで、ある程度ボリュームのある文章になっています。

中には、少し専門的な言葉や、難しいと感じる内容もあるかもしれません。

また、アメリカのサバイバー向けに書かれているので、日本とは少し違うなと感じる部分もあるかもしれません。

 

無理せず、ご自分に役立つと思えるページや、読んでみたいページを、選んで読んでみてください。そして、自分でやってみたいなと思えるものだけ取り入れて活用いただければと思います。 


誰が読むと役立つか?


タイトルには「性暴力サバイバーのため」とありますが、サバイバー、その家族や友人、支援者に向けて書かれています。また、被害の内容や、性別、ジェンダー、性的指向を問わず、すべてのサバイバーのために書かれたヒント集です。

 

フラッシュバックを起こす可能性のあるような体験談などは含まれていないので、比較的安心して読んでいただけると思います。 


言葉について


 「サバイバー」という言葉

性暴力被害に遭った人を「被害者(victim)」と呼ぶこともありますが、「被害者」という言葉には「力を奪われて傷つき弱い人」という印象がより感じられることがあります。被害体験はその人の全てではありません。むしろ辛い体験を生き抜いた力強さを持っている人でもあります。そのことから、英語では力強く生き抜いてきたことに深い敬意を示して「サバイバー(survivor)」と呼ぶことが一般的で、本文でも「サバイバー」という言葉が使われています。日本でも「サバイバー」という言葉が紹介され使われるようになってきました。

 

ただし、全ての当事者がサバイバーと呼ばれたいとは限りません。どう呼ばれたいかはその人が選べるので、それを尊重していただければと思います。

 

★性暴力について

このヒント集で「性的被害」や「性暴力」はかなり幅広い意味で使われています。レイプなど直接的な被害だけではなく、性的に不快な言葉を投げかけられて嫌な思いをすることも重大な傷つきになりうるものです。

 

起こった出来事よりも、それがどんな影響や傷つきを与えたかが大事にされる必要があります。他の人と比べて自分の体験は些細なことだから、と読むのをためらう必要は全くありません。読んでみたいと思うようでしたらどうぞ読んでみてください。


どんな内容が書かれているか?


 下記のような内容がカバーされています。

  • コロナ時代を生き抜くための6つのコツ
  • トリガー(引き金)について解説と対処法
    • タッピングや呼吸法などが紹介されています
  • PTSDについて解説と対処法
    • 認知処理療法、EMDR、ソマティック・エクスペリエンシング、センサリーモーター・サイコセラピー、トラウマインフォームド・ムーブメントetc
  • 心の専門家を探すときの5つのヒント
  • サバイバーの支援者のためのセルフケア
  • サバイバーの家族、パートナー、友人にできること
    • 話の聞き方のコツが紹介されています
  • 癒やしのワークの紹介
    • トランスジェンダーやジェンダー・ノンコーフォーミングのサバイバーのための癒やしのガイドからワークが紹介されています

日本の相談機関について


本文中ではアメリカの相談機関の情報が紹介されているため、日本での相談機関の情報もお伝えできればと思いました。

 

NHKで性暴力の特集が組まれていて、Center for HEARTでも取材を受けました。下記のページで日本国内の相談機関がある程度まとめられて載っています。

もしよかったらご参考になさってください。

 

★NHKの性暴力特集ページ★

https://www.nhk.or.jp/heart-net/topics/9/

 

気持ちを整え落ち着きを取り戻すエクササイズ

「SCOPE」

 

関連団体であるHEARTカウンセリングセンターでは現在、ストレスが強く掛かったときに心と身体を瞬時に落ち着かせることができる簡単なエクササイズをである「SCOPE」紹介しています。

 

Somatic Experiencing(SE™️)というトラウマ療法から生まれました。 正式名称は「SE™️ 危機的状況においての安定化ツールキット」といい、コロナのパンデミックで心身に負荷がかかっている方々の助けになればと生み出されたものです。

 

全部で5分程度でできるセルフケアの方法です。

(動画ではゆっくり解説も入れながらやっているので少し長めになっています)

 

「SCOPE」はS、C、O、P、Eという5つのエクササイズからなりたっています。

① S = Slow down(スローダウン)

② C = Connect to the body (身体とつながる)

③ O = Orient (周囲に気づいてみる)

④ P = Penduration (注意をいったりきたりする)

⑤ E = Engage(つながる)」

 

それぞれのエクササイズのやり方を紹介した動画を作成しました。

 

疲れたな、というときや、緊張したとき、不安が高まったときなどに、ぜひやってみてください。

 

 ご興味があれば一度お試しください。SCOPEの初回ページはこちらになります。

 

Center for HEARTの活動について

Center for HEARTの活動について

今後も、withコロナの時代のなかでも役立つ情報を今後もシェアしていければと思っています。

 

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●私たちはセクシャル・トラウマインフォームドケア(STIC)という、性的なトラウマへの理解が進めていく活動をしています。

→STICについてご興味があるかたはこちらをご覧ください

 

●性暴力やDV,虐待など、トラウマやトラウマインフォームドケアなどについて支援者向けの研修や講演会を行っています。

→研修や講師派遣にご関心があるかたはこちらへ。